薬剤師が取り扱う医薬品の中には、取り扱いに細心の注意が必要になるものもあります。こうした医薬品を調剤する場合には、患者に対しても十分な説明が必要です。ここでは、このような種類の医薬品についてご紹介します。
薬剤師が調剤をする時に注意しなければいけないのは、PTP包装がしてある医薬品を取り扱う場合です。このタイプの医薬品の取り扱いに気をつける必要があるのは、PTP包装がされた医薬品に関する事故が発生しているからです。
包装してあるシートと一緒に患者が薬を飲み込んでしまうことがあり、特に小さな子供や高齢者がこうした飲み方をしてしまう可能性が高くなっています。このような事故が発生することがあるのは、PTP包装をしてある医薬品は1錠ずつ切り離して飲む必要があるからです。
切り離した包装ごと口の中に入れてしまうために、こうした事故が発生しています。PTP包装がされたままの医薬品を飲み込むことは、患者にとって非常に危険なことです。シートを切り離した時にできる角の部分は鋭くとがっているので、体の中に入った時に内部の細胞を傷つけてしまうことがあります。
PTP包装がされた医薬品は患者が間違って包装ごと飲み込んでしまうことを防ぐために、さまざまな工夫がされています。PTP包装がされている医薬品のシートは、患者が切り分けやすいようにミシン目がつけられていますが、昔の医薬品は縦と横の両方にミシン目がつけられていました。
ミシン目が縦と横の両方についていれば、シートの薬を1錠ずつ切り離すことが可能ですが、この方法でシートを切り離すと誤飲がしやすくなってしまうデメリットがありました。このような欠点を改善するために、最近のPTP包装がされたシートでは一つの方向だけにしかミシン目がついていないようになります。
こうした方法でミシン目をつけることにより、シートの薬を1錠ずつ切り離すことができなくなるため、子供や高齢者が間違ってシートごと飲み込むのを予防できます。
患者がPTPのシートを飲み込まないようにするためには、薬剤師が調剤をする時にしなければいけないこともあります。薬を渡す時に正しい服用を教えることも誤飲を防ぐためには重要なことです。
安全な服用が難しい患者の場合には、1回分ずつ包みに入れて調剤することもできます。