社会の産業構造が大きく変革中ですが女子中高生に将来、何になりたいかと尋ねると薬剤師の職業は昔から看護師と並んで上位を占める程の人気ぶりです。子供から高齢者まで幅広い年代の人々が病気を治したり、健康を維持するのを手助けできる身近な仕事として認識されているからのようです。
街中を見渡せば調剤薬局の店舗数が10年位前から急増し、コンビニを超える程になっているので驚くほどの増加ぶりといえるはずです。これは院外薬局を推奨する制度設計が導入されたため、地域の中核的医療機関などの周囲に門前店舗型に薬局やドラッグストアなどが一気にオープンしたためだといわれています。
また、高齢化が急速に進む社会になっていて、高齢者の増加する勢いが当分止まりそうもありません。しかも、高齢者ほど医療機関に罹る機会の増えることが避けられません。このため、医療機関で診察を受けると医師の発行した処方箋に沿って調剤してもらった医薬品を受け取ったり服薬指導を受けたりするわけです。
調剤薬局などでは担当者の世話になるお一人様暮らしの高齢者などが減りそうもないようです。このようなケースでは白衣姿で病人や高齢者を支える手助け姿の目につきやすいことが職業選択する若い人の間で人気ぶりの背景にあることは確かでしょう。
もちろん、病人など、困った人の手助けをするということが中高生などには純粋な気持ちから崇高な仕事と捉えられているといえるでしょう。薬剤師の国家試験に合格すると職業選択する場合も調剤薬局に限らず、幅広い選択肢があります。
病院や診療所勤務の他に製薬会社で新薬開発に携わったり、行政機関などで民間の医薬品取り扱いの監視などにも携わることが多々あります。
しかしながら、増加を続けてきた調剤薬局もほぼ全国に行き渡ったと考えられる店舗数に達したので白衣姿の人気ぶりも大きなヤマを越したといえそうです。調剤薬局数がほぼ飽和に達したと見られるのでドラッグストアと合わせて大手企業によるM&Aが進んで行く見込みがマスコミのニュースでも報じられているようです。
大学薬学部や薬学専門学校などでは将来的な市場規模動向を見据えて既に入学定員の削減に踏み切り始めたわけです。中高生は白衣姿への憧れを意識し過ぎて薬剤師を目指す前に第四次産業革命ともいえる社会変革の最中であることに注視する必要があるようです。
家庭の力が試されているということでしょう。