調剤ミスを未然に防ぐことは薬剤師の最も重要な仕事と言っても過言ではありません。複数の医療機関を受診している患者さんが、複数の処方せんを持ち込んだ時などは特に注意が必要です。医療機関の間で連携がとられている場合は配慮されていますが、それぞれを別々に利用している場合は危険度が増します。慎重に対応するのはもちろんですが、事前に予防方法を頭に入れておくと効率的な予防が可能になります。
複数の担当者がチェックすることによって、調剤ミスの確率を大幅に減らすことができます。同じ人が複数回チェックするよりも、複数の人によるチェックの方が効果を増大させます。同じ人が再チェックしても、同じところで間違えてしまう傾向があります。
人が変わると見方も変わり、結果としてチェックの隙間を塞ぐことができます。スタッフの数を充実させて、複数人チェックが可能なシステムをつくることが大切です。人手不足に陥っているなら機械の手を借りるのも一つの方法ですし、声出し確認で効率的に人材を活用して人手不足をカバーするのも良い方法になります。
処方せんの内容に疑問を感じたら、すぐに医師に確認することで調剤ミスを減らすことができます。医師の間違いを指摘することに抵抗を感じる薬剤師は少なくありません。不快にさせるかもしれませんし、信頼関係に悪影響が出ることも考えられます。
医師ではなく自分が間違っていると考えた方が、精神的な負担から解放されることもあります。しかし、その解放された負担を背負うことになるのは患者さんです。絶対に選んではいけない選択肢だと考えておかなければいけません。
そもそも処方せんをチェックして、内容に誤りがあれば指摘することも薬剤師の重要な仕事です。
薬剤には複数規格のものや、名前が非常によく似ているものがあります。そこには調剤ミスに繋がる危険が潜んでいると言えます。単に名前をチェックするだけでは、混同してしまう恐れがあるので事前の対応が必要です。複数規格があるものや名前が似ているものを事前にリスト化して、調剤の際に確認することをルーティン化すると効果的です。
管理方法にも配慮して、混同しないためのラベルの添付や棚の使い分けなどの対応も効果を発揮します。