携帯電話やスマートフォンが子供の頃から身近にあった世代はネット環境に強い反面、電話対応が苦手なケースが多いです。しかし、薬剤師になれば電話に出なければならないシーンも少なくはなく、避ける訳にはいかないものですが、ここではその理由を紹介していきます。
薬剤師の業務には一般的に知られているものの他にも疑義照会という、処方箋を書いた医師に薬の変更などを訊ねる業務があります。そこでは基本的に患者さんを担当した医師に直接電話をかけて話をしなければなりません。
なお、その時、多忙な相手とスムーズにやり取りをおこなうためにも、こちら側の準備が必要となります。話の内容が分かりやすく伝わるようにあらかじめメモなどに内容を書いて話を整理しておくことや、医師側からの質問に答えるために想定をした対応、相手からの内容を忘れないように記入することができるメモの用意などが一般的です。
これら疑義照会は、患者さんにできる限り早く的確な薬を提供するために必要ですので、メールなどで行う訳にはいかない業務となっています。
また、提携している病院や製薬会社などとのやり取りも電話で行われることがあり、こちらは他の企業でも同じことですが、社会人としてのマナーを身に付けた上で対応に当たることが大切です。
相手を待たせないように3コール以内で電話に出る、はきはきと受け答えをする、などの基本的なことの他にも、医療従事者特有の内容になることも多いので、すぐにメモを取れる体制を取っておくこともポイントとなります。
相手の名前を覚えることや間違えないようにすることもマナーですので、提携している会社の方の名前は覚えるようにしておきましょう。
そして、薬剤師は患者さんからの電話に対応することがありますが、こちらは様々な患者さん、及び相談内容となるため、臨機応変に対応することが求められます。例えば薬を規定量以上に飲んでしまった、服薬してからお酒を飲んだけれど問題は無いか、などその内容はそれぞれですが、概ね薬の誤使用や副作用などについてが多くを占めます。
ですが、対面とは異なり相手の声の様子や抑揚、内容などから判断をしなければならないため、しばらく様子をみてもらうか病院へ行くか、冷静な判断をする必要があります。ですので、危険性が高いと判断をしたら速やかに医療機関への受診を勧めましょう。
また、取るに足らない内容であっても、患者さんは不安な思いでいっぱいだということを忘れないようにして、患者さんの不安を取り除くための電話対応だと認識することも重要です。なお、明らかにひどいクレーマーの場合は一旦話を聞いてから、上司に相談をするようにします。