薬剤師のお仕事に定職した方の中には、日本では薬学を学んだ人物の権限が医師より低いという声が挙げられています。ここでは海外と比較し、薬学を学んだ人物の権限がなぜ低いのかという点について触れていき、海外ではなぜ医師と同じくらいの権限が薬学を学んだ人物に与えられているかを解説します。
日本で薬剤師の方よりも医師の権限が強い理由については、江戸時代において医師が薬を調合していたという歴史があるが故権限が医師に集中しています。しかし、1996年ごろに医師会は薬学者と言われる人物の権限の拡大を図りました。
しかしながら、日本の薬学者に対して与えられた権限の中に処方箋を医師に成り代わり与える権限は薬学者には与えられませんでした。これは、医師が指示した薬の処方を薬学者が行うことが許されるというもので、医師に代わって薬を第3者に与える権限はないということです。
なので、日本では調剤師の権限は医師よりも低いため、医師が処方する薬の分量を間違っている場合において間違っていることを告げることはできても薬の分量を調整することが許されないため、実質薬学者は医師の権限を越えて薬剤を調合することは日本では許されません。
アメリカの場合、薬剤師の持つ権限は日本よりも強く医師と同等の権限が与えられています。なぜなら、アメリカの場合、薬剤を調合する資格を持つものが薬を必要とする人物に対して薬をカスタマイズして手渡す必要性がとても強いからです。
アメリカは、保険の加入などが日本と異なりまちまちであるため、保険適応により相手側に手渡してよい薬が異なるが故調剤師側が独自に判断し利用者の保険で賄うことが可能な薬を手渡すのです。日本の場合、国民の多くが保険に加入しており、支払われる保険料も一定額が明確に決まっているため、薬剤を調合する側は医師側が指定したものを出せばよいという流れになります。
ですが、アメリカでは保険の限度額も異なれば、保険に加入していない人物もおり、そうした人物を救うには調剤師側が独自に薬を作り上げて渡す必要があるが故に医師と同等の権限を持ちます。
薬学者の権限が強くなればどうなるかですが日本で働く調剤師の方のお給料がアップするという現象が起きます。なぜなら、医師と同じ権限を有した場合、医師と同じように調剤師側も業務内容において責任が問われるため責任を問われる分お給料がアップします。
例をあげれば、薬に関する処方の権限が強化され、調剤師側が自由に患者となる人物に対して適合する薬を自由に作り出すことができるようになれば、調合によって生まれた副作用についても責任を負うことになるが故です。
権限が強化されない場合、日本では医師の権限によって薬を調合するため、薬学者側は薬の調合における責任については医師側の判断に従い調合したことが決定しているため、責任は医師の判断になるため、薬学者側は責任においては責任を負う必要性が薄まります。以上から、日本で調剤師の権限が強化された場合、医師と同じ権限と責任を負うことになるため支払われる収入も増加します。