多くの仕事がAI化されて需要が減少していく中、薬剤師の仕事も減少していくのではないかとささやかれています。しかし、AIではカバーしきれない業務もありますよね。そこで、なぜ需要が減るといわれているのか理由をご紹介します。
薬剤師の人口は年々増加しており、このまま増加し続けると需要を上回るのではないかと言われています。現在ではまだまだバランスが取れている状態ですが、10年後には需要過多となっている可能性もあるようです。
大学の薬学部で学んだ後、国家試験に合格してなれる仕事であるため敷居が高いと思われていました。しかし、多くの大学が薬学部を設置したことから、大学の選択肢が増加して学びやすくなったことも影響しているようです。
国家試験もそこまで難関ではないため、合格者が増えていくことが予想されます。
AIにできる業務が増えたことも、需要減少に拍車をかけるとされています。受付業務や調剤業務、薬剤の一包化、患者の薬歴管理、併用禁忌・重複投与チェックなどは、AIにとってかわられる業務ではないかと言われています。
AIは人間のようにミスをする可能性も低いため、患者の薬歴管理や調剤、投与チェックなどは人間よりも上手にできる可能性が高いでしょう。学習能力も高いため、受付業務などもスムーズに行えるようになることが予想されます。
ただし、高度なコミュニケーションとなると人間の方が優れているため、完全に需要がなくなることはあり得ません。今後はAIと人間の分業化が進んでいくでしょう。
政府による医療費削減政策も、需要の減少を進めている要因だといわれています。少子高齢化社会が進む中、政府は増え続ける医療費を削減する政策に力を入れています。医療費削減の流れにおいて、調剤報酬の改定が頻繁に行われています。
調剤技術料は年々下がっているため、調剤技術料を主軸として経営している薬局は、薬剤師の雇用を削減していくことになるでしょう。優秀な人材だけが採用すされたり、スキル不足の人が早期退職を促されたり、AIなどのシステムを導入したりする未来が予想されます。
現に、有効求人倍率は低下の一途をたどっており、2015年は9倍以上であったのが、2021年には3倍ほどに下がっています。今後は、AIにできない対人業務ができる人材が求められるでしょう。