医師だけでなく、薬剤師も日進月歩の医学情報を勉強してキャリアップを図りながら調剤業務を行う必要があります。また、これから一層高齢者の増える時に医師の書いた処方箋通りの調剤業務に加えて患者との会話から症状変化を読み解く薬剤師が信頼を得られるはずです。
病気には治癒可能なレベルになってきた病気ばかりでなく依然として医学の手の及ばないレベルの難病も残っていて人命を脅かしています。その上、社会には高齢者が急速に増え続けているので病気を発症したり長患いする人が徐々に増加しています。
このため、医学が日進月歩で進んでいるとはいえ、医療に携わる医師や研究者などは一人でも多くの患者の病気を治そうとして日々の研鑽を続けていますが追い付いていない状況に見えます。医療現場で病気を治すには手術やその他、様々な手段が実現していますが、治療法として医薬品投与の果たす役割が大きいことは誰もが認めるところでしょう。
また、病名が同じでも以前の汎用薬より副作用の少ない薬、あるいは、一層、効果の期待される新薬が開発されて、新たに医薬品市場に登場することが珍しくありません。
こうした情報を医療に携わっている現役の医師は積極的にキャッチし、日々、病院を訪れる多くの患者と接して夫々に最善の治療を施そうと考えているわけです。そのためには、1日たりとも勉強や情報収集を怠れないと意識しているはずです。
こうした医師を通じて患者に処方箋が処方されるわけですが、一層効果があると期待される新薬情報などが生かされていくはずです。従って、調剤薬局の薬剤師も処方箋の処方変化に気づかなければプロとは言えないかもしれません。
医師の指示する処方箋通りの調剤業務をこなしているだけでは5年先、10年先に調剤の専門家として未来が開けないといわれるくらいです。処方箋を持って薬局へ来る患者との何気ない会話を通じて体調変化などに気づいて、時には処方した医師に問いただすくらいの意識が必要だといわれています。
こうして、時には医師との間でより良い医療情報が共有されて、処方箋が見直されて患者の症状が快方に向かうこともあるわけです。院外薬局における調剤業務の増加に伴って全国各地に薬局やドラッグストアなどが急増し、薬局などの求人が一時的に続きましたが、ほぼ飽和状態が近づいたと囁かれている時期となっています。
これからの調剤薬局では服薬指導など、従来業務に加えて患者とのコミュニケーションを通じて患者からの信頼を得る努力が必要な時代となりそうです。その中でも、高齢者やMCI症状があって、意思疎通の心配される患者などの持っているお薬手帳の管理に手を差し出して信頼される立場になることが新たな業務になるだろうとみられています。
従って、大学病院や地域の中核的な総合病院などの周囲に増えた調剤薬局が患者から選別されることになるということです。